
2014年第二回目テックトーク、今回の話題はスーパーチャージャーインストールです。
猛烈な加速を手に入れる為のチューニングとして、もっともポピュラーなやつです!
北米車といえば、= スーパーチャージャー! てな感じで・・・
もちろん、ターボでも NOS でもいいんですよ!
私はどんなメニューにでも対応できますし、変な「コダワリ」もありませんから(苦笑)
あらかじめお断りしておきますが・・・
ボルトオンキットが出ている物を「説明書通り装着しました!うまく付いているでしょう!!」
なんて内容だったら わざわざテックトークでは語りませんのでご安心ください(笑)
(もっとも、ボルトオンキットを使っても正しく装着できていない事例がありますが・・・)
とは言っても、スーパーチャージャーを後付け装着する話題なんて、別に真新しいことではないと
思う方もいらっしゃるでしょう・・・
ところが多くの落とし穴があるんですね!
そもそも、過給機を後付けしなくても「
ACPT コンピューターチューニング」で十分速いじゃないですか!!
と皆様に言われそうですが、そうは言っても 「あの猛烈な加速」は憧れですよね!?
よーし、お金もある(貯めた)いざショップへ相談だ!と意気込んでいる貴方
落とし穴にハマらないようにお気を付けください。
1998年モデル 4th カマロ・コンバーチブルへのインストールを事例にその落し穴を検証しましょう!
【よくある落し穴的 問題事例】例えば、98年モデルのカマロ・コンバーチブルにスーパーチャージャーを装着しようと
普通にショップに相談すると、下記問題にぶち当たります。
以下、会話事例として
1)
ショップからの提案2)
お客様の内心3)
私のチェックポイントを併記しました。よくお読みください
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1. スーパーチャージャーに「へんな拘り」がある場合(
危険度レベル3)
ありがちなSHOPの提案例:
スーパーチャージャーといえば、イートン!それ以外はダメでしょう!?
しかし、装着スペースがないので ボンネットやら大きくボディー加工しましょう!大手術ですね!
結構高額にはなりますが、ばっちり仕上げますよ!
OWNERの内心:
でもな~ ボンネット内にキレイにおさめたいしな~
ボディ加工なんてどんな見積りになるか?恐ろしい 諦めるか・・・
ACJ 注意ポイント:
私もイートンのルーツ式は好きです。
ただし、4THカマロの場合 ボンネット加工も必要なのでお客様が望んでいなければお薦めしないですね。
しかも、見積りの時点でイートンを正しく装着できるという保証はされないと思われます
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2. ボルトオンキットに合わせてサブコンで対応できますよ!(
危険度レベル4)
ありがちなSHOPの提案例:
確かにイートンが良いですが、装着スペースがないから厳しいでしょう?
VORTECHとPROCHARGER からキットが出ていますね!それにしましょう!
ただし、98年モデルのPCM には対応していません・・・
大丈夫です。サブコンで対応できますから!!
OWNERの内心:
なんだ~ キットが出てるのなら安心かな? どっかのホームページを見ると
大変なように書かれているけど大丈夫なんだ!
ACJ 注意ポイント:
多くの方が勘違いされているのですが、OBD-2 以降の PCM をサブコンで制御しようとしても
「燃調と点火時期」の調整しかできず、各種センサーへの対応
ミッションのシフトポイント変更など 純正コンピューターが制御しているものは変えられません。
レースオンリーのマニュアル車ならまだしも
ストリートで通常使用する車両に「サブコンで対応できます!」なんて発言はありえません
チェックランプのオンパレードですよ!!(爆笑)
過去のテックトークで何度もお伝えしていますが
チェックランプ点灯 →
フェイルセーフモードになる =
パワーダウン ですから!! 残念!!
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3. 高額費用を支払ったのにまともに装着されていない(
危険度レベル max : 大やけど)
OWNERの内心:
ショップに言われるまま、高額費用を掛けることで上記問題点をクリアするも
いざ作業に入ったのに 一向に仕上がらない・・・
なんとか仕上がったと言われても、まともに走れないじゃないか~
チェックランプは点灯しっぱなしだし、
アメリカ(本国)のチューナーにプログラムの書き換えをお願いしているんでって
言われて何度もデータを入れるも改善しない
もう元に戻せないしな・・・(費用が掛かる)
まともに走れない!いったいどーなってんだ!(怒)
奥様:
パパ、こんな車もう売ってちょーだい!(激怒)
ACJ 注意ポイント:
こうなってしまうと辛いですね~
メカニカルの作業がどれくらいの精度で行われているか?
わからないので、私にコンピューター書き換え対応のフォローだけをお願いされても
できる場合とそうでない場合があります。
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このように、スーパーチャージャーをインストールするのにも
車両によってはスムーズに進まないし、キットが出ているモデルでも
簡単に付けられるものではないんです。
もっと解説しないといけない細かい事例もあるのですが
文字だけだとどうしても書き切れないので・・・
それでは、ACJ 的
「98年カマロ・コンバーチブルへの模範的解決策」 をご紹介します。
※あくまでも、一般的な生活で使用する車両への装着を前提とした模範的事例ですよ!
お金をたくさん掛けてショーカーを作る場合や、レースだけ全開で走ることができれば良い
などの事例は当てはまりませんので 「ひねくれた解釈」 をされないようお願いいたします。
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【1st ステップ:パーツの選択と装着】

オーナーの意向を優先し ボンネット内へキレイに収まるようにインストールすることになり
スーパーチャージャーは PROCHARGER から発売されているキットを採用しました

インタークーラーもキット付属品をそのまま採用 4thカマロはフロント廻りにスペースがないので
左右分割タイプですね! まぁ、必要にして十分でしょう!

ロングチューブヘダースもオーナーの強い要望でワンオフ製作しました!
カマロのクーペ用は商品化されたものがあるのですが コンバーチブル用の設定がないので
オリジナルを製作しました! いい感じでしょう?(笑)

くどいですが ロングチューブヘダースを装着する場合
コンピューターのセッティングを変えないと必ずチェックランプが点灯します・・・ご注意を!
BEFORE
↓↓
AFTER

装着後はこんな感じです! うまく付いているでしょう?!(爆笑)
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【2nd ステップ:PCM プログラム書き換え】
98年用PCM 99-02年用PCMここからが通常のショップではできない部分です!
キットに付属しているデバイスは1999-2002年モデル用のPCMにしか対応していません。
対応していないという意味ですが
パソコンで言うと OSが異なるためソフトが対応していないという意味で
つまり、使用したいソフト(アプリケーション)が 「マイクロソフト WINDOWS ビスタ や WINDOWS 7(セブン)」以降の
OS しか対応していない場合 それを WINDOWS XP にインストールしたくてもできませんよね!
それと似ています
では、PCM にアクセスして「プログラムの書き換え」をすればよいのですが、
多くのショップがそれを「アメリカのチューナー」にお願いしてデータだけを作ってもらい
インストールしています。
ところが、どのような仕様になっているかをちゃんと伝えなかったり、
データ作成後に追加メニューでパーツを装着したり(吸排気系を変えるなど)すると
それ用のデータになっていないので、ただインストールするだけでは
ものすごく調子が悪くなります。
PROCHARGER KIT のデータも、キットのスーパーチャージャーを装着する以外は
まったくのノーマルであることが前提でデータが作られています。
今回のようにロングチューブヘダースを追加する時点で
データの調整が必要となるのです
もちろん、当社では、
私(ロミオ・エスピノーサ本人)がデータを作成していますここが大きく異なるところですね

メカニカルパーツ(スーパーチャージャーや吸排気パーツ)の脱着交換作業を
「とても上手く綺麗」に装着するショップは多く存在します。
問題は ”最後のコンピューターセッティング” なんですね。
それができてないんです。
多くのお客様がここを見誤ってしまい
大出費の大やけどしてしまっています・・・
随分前のテックトークから何度も言い続けているのですが、
アメリカでは「これも勉強代のうちだね・・・」なんてことは絶対にありません。
日本でも早くそんな言葉が無くならないかと思うのですが・・・
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【3rd ステップ:チューナーとオーナーのコミュニケーション
(最も重要)】
そして、もっとも重要なことをここからお話します。
そもそも、メーカーが開発したNAエンジンにスーパーチャージャーを装着するんです・・・
よく考えてください!
無茶なパワーアップをしたらひとたまりもありません
(壊れます)数万、十数万㎞も走りこんだエンジンに装着するのはもちろんのこと
特に最近のNAエンジンは圧縮比も高く、十分すぎるほど取扱いに注意が必要です!
もっと言うとミッションやデフにも相当の負担が掛かっているんです!
(意外に忘れられているケースが多い)嬉しくて、装着早々アクセル全開にしたい気持ちもわかりますが・・・
プロであるチューナーの指示を無視したが為にエンジンが壊れる事例もあります
人が手術後にリハビリもせずドクターの言うことを無視した場合
良くなるどころか悪化する場合があるのと同じなんです
新車やリビルトエンジンへインストールする場合はチューナーの指導のもと
時間を掛けて慣らしをお願いしているのですが・・・
それだけで終わるのではなく
慣らし後にオーナー様の運転スタイルにあわせて同行乗車しながらデータをロギングし
「さらなる微調整」をやって初めて ”スーパーチャージャーをインストールできた” ことになると
私は考えます。
(ACJの拘りです)どんなに素晴らしい技術でパーツやデータをインストールしても
チューナーとのコミュニケーションが取れなければ
あっという間にエンジンやミッション(デフも)壊れるんです
もし 「そんなのやらなくていいよ~」 と思う方であれば
当社においてでも「やけど」するかもしれません・・・予めご了承ください
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さて、今回の 98カマロオーナーのN様ですが
心臓の強化で劇的に車が変化したことをうけ、ボディーカラーやホイールもモディファイすることを決意!
モディファイテーマは、「コルベットキラー」ってとこでしょうか?

完成した暁に改めてご紹介させていただきます!
お楽しみに!
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テーマ:アメ車 - ジャンル:車・バイク
- 2014/05/12(月) 14:46:27|
- シボレーカマロ
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