後編です
「前編を読んで衝撃を受けました!」という感想を多く頂き、
また早く後編を読みたい!とのリクエストも多数頂きまして ありがとうございました。
悲しいことですが、仲田様の事例だけでなく、
同じような被害にあった日本の北米車ファンが大勢いらっしゃいます。
調子が悪い状況を「こんなもんだ」とあきらめていたり、
調子が良い車両との「違い」を知らない(損をしていることも気がつかず)に我慢して乗っている方が多くいるのです。
本当に調子良く「調律」された北米車のチューニングカーを
乗ったことがない貴方!何十倍も損しているんですよ!ではまず
仲田様の依頼をアメリカで実施した場合 に、
どんなプランが提案されるかご紹介します
【ご依頼内容の確認】① ビッグブロックに換装してパワーを出したい
② 4L80Eが積まれている車両なので、できればそのまま使用したい
③ できればキャブは避けたい
というシンプルなご依頼でしたね。
【結論(正解)】先に結論から書きます。
① 454でも502でも お客様のご予算次第
② 4L80Eはもちろんそのまま使用
③ GMのPCMを使用してエンジンもミッションもプログラムを書き換えてセッティングする
です。
え? それだけのこと??と思った貴方!!
はい、それだけのことが、できないんですよ(涙)でも気をつけてください! 多くの日本のショップで「こうして欲しい」と依頼したら
① いや~キャブがいいです!
② メカニカルAT もしくは マニュアルミッションにしましょう!
③ いや~アフターマーケットEFI のほうがいいですよ!
もしくは
④ 無理ですね。できません
と言われます (涙
頭の回転が速い人なら もうお分かりですよね?
つまり、純正コンピューターのキャリブレーションを理解し
その書き換えができないと、いつまでたっても
25年前のやり方しかできないということなんです!ACPT ファンの皆様、または推測力が高い方は前編を読み終えた時点で
後編を見ることもなく「このような結論だろうな」と予想できたと思います。
それでは、つまらないと思いますので・・・後編では
これからコンピューターチューニングをやりたい!と思っている方全員にお伝えしたい
大変重要なポイントを解説いたしますその前に まず、2009年にアメマガ誌に掲載された当社監修の記事をお読みください。
↓↓↓↓↓

雑誌が掲載されたころより、遥かに今の方が
「やれコンピューターチューニング!」とか
「フルコンがどう」とか
「デバイスでできるのがいいとか」とか
なんだかんだ多くの方が注目するようになってきたのですが・・・
そもそもチューニングするにあたって
コンピューターの「ハード」のことを気にしたことがある方って
どれくらいいるのでしょうか?はい! この後編で一番重要なポイントとは
搭載するコンピューターのハードのことなんです!そうですね~
携帯電話に例えてみましょうアナログ通信の携帯電話から
デジタルに変わり、ガラケーがスマートフォンに変わって
メーカーやモデルも増えたここ最近になって
ようやく
搭載されている CPU やら
メモリー やら
OS を
気にする人が増えてきましたよね?
それはなぜでしょうか?
処理スピードが速いほうがいいから・・・
いろんなことがスムーズな操作でできるほうがいいから・・・
デザインやメーカーだけでなく
スペックも気にするようになってきたのは・・・
そうです ”毎日使うもの” だからですよね?あれ??車も毎日使いますよね? (複数台もっている人もいますが・・・)
チューニングカーとは言え、毎日の足に使っている方も多いと思います。
ということは、車のコンピューターも
処理スピードが速くて、いろんな処理をマルチでしてくれて
スムーズに車を動かしてくれるもののほうが良くないですか?
極端なことを言いますよ(笑1)スマートフォンを使っていたのに
突然 明日からアナログ通信の携帯電話を持たされたら・・・
2)形はスマートフォンなのに
突然 明日からガラケーと同じことしかできなくなったら・・・それと同じようなことを自分の車にされていると思ってください。もうおわかりですね!
あっ!そうか!気にしてなかったかも? と思った方
たくさんいらっしゃいませんか?

いひひひ~
でも最近のフルコンも進化しているから
純正ECU(PCM)との性能差なんて関係ないんじゃないの??と
大きく誤解をしている方が非常に多いので
これを機に「正しく」ご説明します携帯電話は、ここ数年で「ガラケー」から「スマートフォン」に変わったことで
「多機能化」され、あらゆることが「高速」かつ「マルチ」でできるようになりましたね!
車でも同じようにコンピューターのハードやOSの進化に伴い
より「高速」かつ「マルチ」化されているのです!
走行状況、急激な環境の変化があってもアイドリングを安定してくれる機能・・・
キックダウン、ロックアップ時のオートマミッションのスムーズ且つ滑らかな操作および
ミッションの状況に応じたエンジン制御など・・・
書き出していくとあまりにも多くの文字数になってしまうので
簡略化した表形式にて「スペックの違い」を下記にまとめましたのでご覧ください!
前編の仲田さんの例で言うと AVENGER EFI システムを組みこまれてしまったおかげで
スワップ前に搭載されていた TBI 用の OBD-1 のコンピューターよりはるかに劣る性能の頭脳に
換えられてしまったということになるんです。
学習機能? なんて・・・
純正メーカーのそれに比べれば大幅に性能ダウンなんですていうか、アフターマーケットのフルコンに学習機能が付いている本当の理由は
自分で細かくセッティングできない人の為に
フルコンメーカーが用意したサービスプログラム程度なんです・・・つまり、マッピングを理解しているチューナーは自分で最適なセッティングを出したいので
中途半端な学習機能はむしろ不要なくらいなんですね!
ご理解頂けますでしょうか?
フルコンは、本来レースの為だけに使用用途を限っているものなのです
それをストリートで流用するために
若干のプログラムを変えて機能を追加したところで
純正PCMには敵わないことを理解してください。もっというと
アメリカでは車検時にスキャナーチェックがあるのですが・・・
※まさか、現代において「アメリカには車検なんてないじゃん」とか言っている人は居ないですよね?
日本の車検と異なり
キャニスター パージ ソレノイド や EGRバルブが正しく作動しているか?
リア側(下流側)の O2センサーが正しく機能しているか? など
複数のエミッション関連の項目がチェックされますが
残念なことに、フルコンだと多くの項目において「非対応」の為、パスできないですね・・・
※まぁ、日本だとスキャナーチェックはされないから関係ないんですかね~(涙
前編だけでなく、以前のテックトークでも
何度も 書いていますが・・・
メーカーがPCMを開発するには
何億というお金を掛けているのですそのソフトのマッピングの細かさや、全世界各国のガス規制に対応させる為のあらゆる機能は
どんなに優れたアフターマーケット製のコンピューター(フルコン)をもってしても まったく比較になりません。
つまり、高性能に進化した 最新の純正 PCMを
フルコンだのサブコンだの後付け、外付け することでは到底 騙せないんです!!
いつもテックトークで言っていますが、誤作動を引き起こす可能性が物凄く高いんです!仲田さんの場合、無駄なお金を使わずに最初から当社に来てもらっていたとしたら・・・
通常の TBI 用の OBD-1 のコンピューターのプログラム書き換えではなく
OBD-2 仕様のコンピューターを搭載して「より快適な」ストリート仕様を 予算内で作れたかもしれません・・・(涙
それでは最後に!エンジンスワップ又はインジェクション化を依頼するショップに任せてよいか?を判断する
一つの方法として、商談時に必ず以下の質問をぶつけてみてください
スワップ後のエンジンは
必ず純正PCMで動かして欲しいのですが・・・と
確認してください。信頼できるショップの回答例① はい、もちろん可能です。ご安心ください
② なるほど、当社ではできないので セッティングだけ専門店に外注しますのでご安心ください
③ そうですか、当社ではできないので 辞退させてください。
大失敗する可能性が高いショップの回答例① いやー、キャブがいいですよ!
② アフターマーケット用のフルコンでやりましょう!
③ サブコンやコントローラーで対応可能です!
2016年の現代の技術環境において
純正コンピューターを使用して、正しくセッティングをできないショップに
ストリートで使用するために ”エンジンスワップの依頼をしては危険だ!” ということです
純正コンピューターを使用せずにエンジンスワップしてる車に乗っていると・・・ブラック大魔王に・・・
って言われますよ!(笑)
そう言われないように よーく考えて行動してくださいね!
- 2016/02/01(月) 23:30:17|
- ACPT コンピューターチューニング
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